August 02, 2009とあるモノに組込むセンサ前回の記事で紹介した細長い電池と関係するのですが、とあるモノに組込む為のセンサの基板を設計してみました。毎度同じみ、基板のレイアウトを掲載してみます。
この幅約6mmの基板に、マイコン(Silicon Labratories C8051F921)とSPIメモリ(Microchip 25AA1024)、3軸加速度センサ(Freescale MMA7330)、照度センサ(Intersil ISL29101)が載っています。センサはアナログ電圧で情報を吐いてくるので、マイコン上にあるADコンバータで変換、SPIメモリに記録をします。SPIメモリからデータを回収するために、マイコンのUART 1チャンネルをアクセスしやすいようにしました。 余談ですが、この話はある方から受けたものです。当初話を受けた限りでは本当に設計する必要があるのか、未定な状況でした。ところが僕自身が方法を考えているうちにだんだん面白くなってしまい、設計までしてしまった次第です。ハマルっていうのはこういうことなんだなぁと。 ※(2009/8/5 追記) 戴いたアドバイスを元にマック8の面白部品を活用して電池との固定方法を考えてみました。結果、ピン型の電池を固定するには、電池の正極となるピンはマック8のパイプソケット PR-0.9-8、負極となるケースはΦ5mmのステンレスパイプとバネ、ねじによって固定をしようと思います。それに伴い基板のデザインも一部変更しました。
左端中央のくぼみにパイプソケットを埋め込み、 ※その後、以下のコメントの、と おる すがり さんのアドバイスどおり、コンスルーを使ってデバックしています。写真を掲載しました。 August 07, 2009カプトンステンシルとヘラでクリーム半田付け色々変わった電子部品を扱っているsparkfunですが、そこで売っているSTMicroelectronics製のジャイロ LISY300ALを使ってみたくなりました。ところがどっこい、このジャイロ、半田付けが一筋縄ではいきません。難敵のBGAではないものの、表面実装パッケージでありながら半田付けを側面から行えない、すなわち足が出ていないどころか、側面に半田が付くパッドが形成されていないパッケージなのです。 そこでクリーム半田(半田ペースト)を導入して、半田付けを行ってみることにしました。クリーム半田での半田付けは、半田を塗布したいところに穴が空いたステンシルと呼ばれる板の上から半田を塗りこみ、電子部品を載せ、最後にリフローあるいはホットエアー(ヒートガン)装置で熱を加えて完了します。この方法ならば半田ごてで熱を直接加えて融着できなくとも、半田付けを行うことができます。 このクリーム半田を使った方法は、大量生産が必要な機器に対してよく行われている方法です。そのためクリーム半田を綺麗に塗布するプリンター、位置調整を行い部品を自動的に載せてくれるマウンタ、適切な温度コントロールで部品にダメージを与えずに半田付けを完了するリフロー炉という専用の装置があるのですが、今回のような少量生産から見れば恐ろしく高価なので、それらの装置は買えません。 以下、主にクリーム半田の塗布について紹介します。以下の写真が使った機材です。 画像にあるオレンジと白の紙みたいなものが、今回使用したカプトンステンシルとマイラーステンシルです。量産品に対してはステンシルも耐久性に優れたもの、例えば薄いステンレスをレーザー加工したものを使うようですが、できる限り安くということで、1枚$25、送料$12で注文できるapplied-electronics.comから上のマスクを調達しました。 ヘラは、以前Mac Mini オープナーでお世話になったステンレス器具の仁作より購入したスパチュラと地ヘラです。塗布の際に使ってみた結果では、スパチュラが丁度良い堅さで良好な塗布ができました。地ヘラは固すぎました。 塗布の結果は上の写真のとおりです。カプトンステンシルとスパチュラを使って、綺麗にできました。しかしコツがあるようで、何回か失敗した後の結果です。重要な点をいくつか挙げるとすれば、半田をケチらないこと、スパチュラに力を加えすぎないこと、何回も塗りなおさず1回でしとめること、あたりだと思います。塗布したクリーム半田は千住金属のGRN360です。 その後、部品を載せ、熱を加えて半田付けを終えた結果です。 導通チェックは全て正常でしたので、今回示した方法は有効のようです。さらに、熱を加える過程を見ていたところ、熱を加えると集まる半田の性質のお陰で、クリーム半田がパターンから多少はみ出ていても問題がないという印象でした。ステンシルを使って塗りこむ技能が低くとも使えそうです。 August 09, 2009Nicotechに行ってみたいなぁ
[Timely]
今度ニコニコ技術部のイベントがあるそうです。NT首都圏。なんだか面白そうなので参加してみたいなぁ、せっかく参加するなら、展示をしてみたいなぁ、と思ってみました。というわけでやっつけ仕事的に、僕がやっている事をニコ技風にアレンジして動画を作ってみました。 オートパイロットシステム Super Sylphideで、はちゅねさん振っているだけです、はい。 ※ニコニコのアカウント持っていない方でも見れるようにしました。続きをどうぞ。 続きを読む "Nicotechに行ってみたいなぁ"August 12, 2009Redmineに対してオレオレ証明書httpsのsubversionを認めさせる
[Computer]
複数の作業を効果的にこなすために、Redmineというプロジェクト管理ツールを導入しているのですが、このツールはソースコードを管理するためのSubversionやgitといった別のツールと連動することが可能です。この仕組みはとても便利で、例えば、Subversionでコミットする際のコメントに、Redmine側で発行したチケット(ToDoリストのようなもの)の番号を記載しておくと、Redmine側であるチケットに対してどれだけコードが変わったか、ということをうまいこと紐付けしてくれてます。 僕がこれまで作ったRedmineは、同じサーバ上でRedmineとSubversionを動かし、Redmine側からローカルディスクのSubversionを叩くという構成でした。ところが最近、新たに外部に作られたhttpsベースのSubversionリポジトリを取り込む必要がでてきたため、表題のような問題を解決する必要がでてきました。 問題が発覚するにいたったのは、RedmineでhttpsのSubversionリポジトリを登録したときのことでした。リポジトリを見ようとすると『リポジトリが見つからない』とのエラーがでます。入力したURLでブラウザからリポジトリを見ることができたので、どうやらRedmineがあやしいようでした。コードを追うこと、どうやら証明書がらみのエラーでした。 これはhttpsで公開されているSubversionをコマンドsvnで叩くと、その証明書が怪しい場合にユーザの許可を求めてくることと関連しているようでした。証明書が怪しい、というのは、証明書がVerisignのような一般的に認知されている機関から発行されているのではなく、例えば自分で自分を認証しているオレオレ証明書(apacheのインストールの際によく作るsnake oilのアレ)のようなものです。 Subversionのコマンドsvnでアクセスする際は証明書が怪しくとも、それを認めるかどうかたずねられるのは初回のみで、その認否については次回以降は .subversion/auth/svn.ssl.server/ ディレクトリに情報がキャッシュされます。Redmineから叩かれるSubversionもそのような仕様に変更してみれば、この問題は回避できそうでした。 で、本題の問題解決方法ですが、パッチ redmine.svn_https.patchを作りました。このパッチを適用した後、目的のhttpsリポジトリをsvnコマンドで一度認めた上で.subversionディレクトリをRedmineのルートディレクトリにコピー、Redmineを再起動してください。これでうまくいきました。 August 19, 2009僕がArduinoを使わないわけ(いわゆるネタです。元は『私がTwitterを使わないわけ』) 0. この記事を書いた理由僕の周りで、Arduinoを使っていない(厳密に言うと持っていても使う気がしない、あの頃は若かったんだよ…)のは僕一人だ。特に事あるたびに『あんなもの買うんじゃない』と周囲に力弱くつぶやいている(本来、長いものには巻かれろの軟弱モノです)のですが、たまには声を大きくして言ってみたかったから(笑)。 1. ArduinoでLEDをヒカヒカさせるのは無価値だそうですとも。LEDヒカヒカはプログラミングで言うところのHello world。あんなもの一から自力で組上げて何ぼだと思います。組み込みで一からというと、基板をおこして、半田付けして…、というと批判が物凄く寄せられそうなので、評価キットやブレットボードは使ってもいいことにします(またしても力弱い…)。あ、もちろん自作Arudino互換機については、僕は購入してしまったArudinoと同等扱いをするつもりはないですよ!! ただコレだけは言っておこうと思います。猫も杓子もArduino買えばなんでもできるという最近の風潮は僕は好きくない。 2. サービスとして不完全だ困ったら誰かが助けてくれて当たり前だと思う『教えて君』養成所に、Arduinoがなってしまわないか心配です。しかもArduinoだけではMake:とニコニコ動画のウケしかとれないぞ!! (それで十分という話もありますか…)。Arduino以降のことも考えたArudinoであってほしいわけです。 3. なくては困るというほどのものではない別にやりたいことはSuper Sylphideとか猫カメラで実現しているので困っていません。「これはArduinoじゃなきゃ」という必須の出番はまったくないわけです。 Arduinoが世の中にもたらしたまったく新しい便利さ、というものもない。組み込みの満足度としても、PIC16F88 + 秋月C基板でRAMのワークエリアを使い切った時のほうがずっと充実している(笑)。 4. Arduinoを使わなくったってMake:には取り上げてもらえるごめんなさい、うそウサ。Make:に取り上げてもらいたかったらArduinoは買って使うべき。でもそうすると『Arduinoを使った新しいhogeが、キターー』とかかかれるのがオチです(笑)。なんか悔しいでしょう? 僕は悔しいです。 5. Arduinoを誇るのは無意味な虚栄だ僕は自己宣伝が(するのもされるのも)嫌いだし、Arduino上の「猿山のボス」にはなりたくない。Arduino流のMake:を使った宣伝は、『フィジカルコンピューティング、すげぇ』とか言っている人たち(後が怖いよぅ…、ゴメンナサイ)のむなしいエゴを満足させるだけ。コンテンツとしての意義や重要性はほとんどない。 6. なぜあなたはArduinoを使うか?僕は、今の世の中にArduinoなんか出来合いで購入できるお店なんか要らないと思うけど、あなたは何か重要なことやおもしろいことにうっかり購入してしまったArduinoを使ってる? コメントで教えてくださいね!! 僕と同様にArduinoを買っても使わない、あるいは買う気すらない人は、その理由を教えてもらえませんか? 『誰もが使ってるから』という理由だけは、ノーでお願いします。Arduinoは秋月じゃ買えないんだから(千石じゃ買えちゃうらしいですorz)。 ※長いものには巻かれろ(笑)、ということでArduinoにも使える撮像キットを作っています。 August 25, 2009VS6724のSMK製ソケット到着新しい猫カメラに使う予定のSTMicroelectronics社製カメラモジュールVS6724用のSMK製ソケット(リンクはPDF)が到着しました。カメラモジュールは温度に対する制約が厳しく、直接の半田付けは避けたほうがいいとのことですので、この度ソケットの導入と相成りました。とりあえず、どのようなものか写真を撮ってみたので記事にします。
ロケットのような高振動環境で耐えられるかは微妙だと思いますが、ソケットとそのフタを組み合わせると中のカメラモジュールが意外としっかり固定されます。 ※その後、猫カメラの新基板を設計しました。 |
かれんだ~
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