August 07, 2009カプトンステンシルとヘラでクリーム半田付け色々変わった電子部品を扱っているsparkfunですが、そこで売っているSTMicroelectronics製のジャイロ LISY300ALを使ってみたくなりました。ところがどっこい、このジャイロ、半田付けが一筋縄ではいきません。難敵のBGAではないものの、表面実装パッケージでありながら半田付けを側面から行えない、すなわち足が出ていないどころか、側面に半田が付くパッドが形成されていないパッケージなのです。 そこでクリーム半田(半田ペースト)を導入して、半田付けを行ってみることにしました。クリーム半田での半田付けは、半田を塗布したいところに穴が空いたステンシルと呼ばれる板の上から半田を塗りこみ、電子部品を載せ、最後にリフローあるいはホットエアー(ヒートガン)装置で熱を加えて完了します。この方法ならば半田ごてで熱を直接加えて融着できなくとも、半田付けを行うことができます。 このクリーム半田を使った方法は、大量生産が必要な機器に対してよく行われている方法です。そのためクリーム半田を綺麗に塗布するプリンター、位置調整を行い部品を自動的に載せてくれるマウンタ、適切な温度コントロールで部品にダメージを与えずに半田付けを完了するリフロー炉という専用の装置があるのですが、今回のような少量生産から見れば恐ろしく高価なので、それらの装置は買えません。 以下、主にクリーム半田の塗布について紹介します。以下の写真が使った機材です。 画像にあるオレンジと白の紙みたいなものが、今回使用したカプトンステンシルとマイラーステンシルです。量産品に対してはステンシルも耐久性に優れたもの、例えば薄いステンレスをレーザー加工したものを使うようですが、できる限り安くということで、1枚$25、送料$12で注文できるapplied-electronics.comから上のマスクを調達しました。 ヘラは、以前Mac Mini オープナーでお世話になったステンレス器具の仁作より購入したスパチュラと地ヘラです。塗布の際に使ってみた結果では、スパチュラが丁度良い堅さで良好な塗布ができました。地ヘラは固すぎました。 塗布の結果は上の写真のとおりです。カプトンステンシルとスパチュラを使って、綺麗にできました。しかしコツがあるようで、何回か失敗した後の結果です。重要な点をいくつか挙げるとすれば、半田をケチらないこと、スパチュラに力を加えすぎないこと、何回も塗りなおさず1回でしとめること、あたりだと思います。塗布したクリーム半田は千住金属のGRN360です。 その後、部品を載せ、熱を加えて半田付けを終えた結果です。 導通チェックは全て正常でしたので、今回示した方法は有効のようです。さらに、熱を加える過程を見ていたところ、熱を加えると集まる半田の性質のお陰で、クリーム半田がパターンから多少はみ出ていても問題がないという印象でした。ステンシルを使って塗りこむ技能が低くとも使えそうです。 コメント
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