Super Sylphide 進捗状況(39) -- XDS100 による Tiny Feather のデバック
無人航空機(UAV)用のオートパイロットシステムSuper Sylphideですが、その続編Tiny Featherの開発を続けています。両者とも最も重い計算をさせる半導体はどちらもTIのC67xシリーズDSP、すなわちSuper SylphideはTMS320C6713B、Tiny FeatherはTMS320C6745Bを使っているため、開発環境としては同じ環境を使うことができます。開発環境はハードウェア(エミュレータ)とソフトウェア(Code Composer Studio、以下CCS)で構成されますが、Tiny Featherは後発であるがゆえ、それらのうちハードウェアについて100ドル未満の安価なものを使えるようになっています。それが表題のXDS100クラスエミュレータというものです。
XDS100クラスエミュレータは、それ自体は製品の名前ではなく、『クラス』と名前がついていることからも想像できるように一連の製品群のことをさしています。というのもXDS100というのがTIが供給している純製品の名前で、TI以外の他社からも互換品が販売されているという次第です。
ところでこのXDS100クラスエミュレータ、機能によってバージョンが2タイプあります。XDS100とXDS100v2というもので、v2のほうが高機能、ただしCCSのバージョンに依存性があってv2ではCCSの新しいバージョンである4.xのみ対応で、古い3.3では使えません。ソフトによって対応するハードを変えなければならないのは、いささか不便です。ましてや1ユーザとして僕が見るところ、CCSは開発環境としての安定性がいまいちで、新しい4.xのCCSが必ずしも古い3.3よりも優れているとはいい難いと考えています。というわけで、CCSは3.3と4.xを両方とも使いたいという要求があり、XDS100とXDS100v2の両方が手元にほしくなりました。
しかしいくら安いとはいえ、似たエミュレータを2個購入するのには気が引けます。そこでよくよく探してみると、中身をソフト的に書き換えることによってXDS100にもXDS100v2にもなる互換品を発見しました。Blackhawk XDS100v2D というのがその互換品で、どうやら搭載されたCPLDを書き換えることによってこの機能を実現しているようです。
早速、MouserにてXDS100v2Dを購入し使ってみましたが、うまくTiny Featherをデバックすることができました。接続している様子を示します。
XDS100クラスのエミュレータは、上位機種でより高価なXDS510、XDS560クラスと比べるとコードのダウンロードスピードが遅かったり、と安いなりの欠点がありますが、十分に使える治具だと思います。これでDSPユーザが増えてくれると面白いのですが、Cortex-M4に期待している僕もいます。
※次の進捗状況では、Tiny Featherの設計データを公開しています。
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