Super Sylphide 進捗状況(26) -- 飛行試験でDutch Roll
オートパイロット装置 Super Sylphideですが、今まで数度、飛行機を借りて、航法機能の精度を確認する飛行試験を行ってきました。航法機能というのは、カーナビの飛行機版で、『どのような場所を飛んでいるのか』や『どんな格好(姿勢)で飛んでいるのか』といったことがわかる部分です。カーナビだと東西南北の2次元情報ですが、飛行機は3次元空間を移動するので遥かに高機能です。
そんな飛行試験の中で、最近面白い映像がとれたので紹介しようと思います。飛行試験では、飛行機の特徴的な飛び方をして戴いて、それをSuper Sylphideで捉えるということをしています。今回紹介するのはとても気持ち悪いダッチロール(Wikipediaの解説『ダッチロール』にあるアニメーションがわかりやすい)という飛び方です。まずは映像をどうぞ。
これをSuper Sylphideで捉えたのが以下のグラフです。このグラフは航法情報のうち姿勢情報、つまりヘディング(東西南北のどっちを向いているか)、ピッチ(水平線に対してどれだけ機首が傾いているか)、ロール(左右でどの程度傾いているか)を示したものです。ダッチロール中はヘディングとロールが連成するのですが、その様子を捉えることができています。
試験に使用した飛行機の写真も貼っておきます。宇宙航空研究開発機構(JAXA)のBeech QueenAir(B65)です。
飛行試験は飛行機に乗れるのでとても楽しいです。しかも飛んでいる間に自分の機材で色々なことがわかるのが面白いです。
※その後、より強い力、より速い回転を捉えることができるセンサを搭載した基板を新たに設計しました。
コメント
>kentaさん
コメントありがとうございます。
テールシッターも確か巡航時を基準に軸をとっていて、+Xが前方、+Yが右翼としていると思われます。この場合、当然オイラー角では計算が発散してしまうので、クォータニオンやDCMを使って計算していると思います。
またもしオイラー角にこだわるのなら+45度方向に軸をとるという方法もあったと記憶しています。
詳しい人がいますので機会がありましたら聞いて見ますね。
ご回答ありがとうございます。
クォータニオンですか。
回転の公式などは知っていますが、
パッと見で意味がわからないため、
制御のチューニングなどをする際にピンとこない
かもしれません。
>kentaさん
直感的にはオイラー角でないとゲインは決めにくいですよね。計算はあくまでクォータニオン、制御の際はオイラー角にもどして、というのがいいような気がします。
コメントする
- 匿名でのコメントは受け付けておりません。
- お名前(ハンドル名可)とメールアドレスは必ず入力してください。
- メールアドレスを表示されたくないときはURLも必ず記入してください。
- コメント欄でHTMLタグは使用できません。
- コメント本文に日本語(全角文字)がある程度多く含まれている必要があります。
- コメント欄内のURLと思われる文字列は自動的にリンクに変換されます。
- 投稿ボタンを押してエラーがでなければ、投稿は成功しています。反映されるまでには少し時間がかかります。
ふと気になったんですが、
テールシッタータイプの無人機は慣性基準装置をどの向きに搭載するんですかね?ご存知ですか?
シドニー大のやつとか。
胴体と水平に置いた場合、
Posted by: kenta : February 6, 2010 06:25 PMホバリング時はピッチ角90度になるわけで、
姿勢制御や複合航法計算時の三角関数誤差やバクが怖そう。
オイラー角表記は使いづらいのかも。
そもそも、地磁気センサのデビエーションは関東で-6度くらいだけど、ピッチ角90度ではどうなるんだろ?