September 10, 2009

北岳 2009

先日国内で2番目に高い山の北岳に登ってきました。台風で一度は延期した企画のリベンジですが、今回は天気に恵まれ大変楽しい山行となりました。ルートは広河原~北岳~間ノ岳~農取岳~奈良田の2泊3日コースです。

kita2009.jpg
間ノ岳方向から北岳。Xacti CA9で撮影。

雲が多かったため、2001年のように富士山が見えなかったのが、少しばかり心残りです。

おまけ企画として、測量のために剱岳に決死覚悟の登山をした話の映画『点の記』が今年公開されたこともあり、現代の最新技術をもって測量の真似事をしてきました。お得意の自作GPSロガーの出番です。

kita2009_measurement.jpg
こんな感じで計測しました

計測データ kita2009.ubx(フォーマットはubx)を公開します。計測条件は、受信機にu-blox LEA-4Tを使用、北岳山頂の三角点におけるCarrier PhaseやDoppler等の生データを4Hz約15分間静止測位しました。またアンテナの設置環境は上の写真の通りで、場所が場所だけに時々アンテナが人の影に入ってしまっています。興味がある方はambiguityを解くなど遊んでみてください。後日、より標準的なフォーマットであるRINEX形式でもデータを提供しようと考えています。

計測の際、周囲にいる方に奇異の目を向けられたりした(笑)のですが、GPSですよ、というと安心していただけました。『点の記』の頃は測量をするにも色々と周囲の理解を得るのが大変だったのではないかと思いますが、GPSの知名度に感謝様様です。

※(2009/09/18 追記) 自作コンバータubx2rinexのバグを出し切っていないため不備があるかもしれませんが、RINEX形式でもデータを提供したいと思います。Observation形式の観測データNavigation形式のエフェメリスデータ

※※(次の三角点データ) 日光の赤薙山の三等三角点です。

21:12 fenrir が投稿 : 固定リンク | | このエントリーを含むはてなブックマーク | トラックバック
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コメント

データ公開ありがとうございます。RTKLIB2.2.2で解析してみました。
近隣電子基準点(韮崎)との相対staticで基準点座標はF2、基準点
のアンテナモデルだけ入れてます。かなり厳しい条件ですが一応FIXして
35 40 28.43207 138 14 20.00475 3237.4077m

GSI基準点成果では
35°40′28.4324 138°14′20.0034 3192.18+44.45m

なので差はE:+3.4cm,N:-1.0cm,U:+77.8cm。基準点成果は指標基部座標なのかもしれません。(厳密には地殻変動補正を入れなければいけません)

Posted by: ttakasu : September 10, 2009 11:31 PM

>ttakasuさん
釣りのような内容(笑)で申し訳ございません。まさにRTKLIBで解いてみようと思っていたところでした。なるほど基準点成果座標は少し上目にでるのですね。

追加ですが、設置状態を示した画像の文字が読みにくいので、ここに書いておきます。
『三等三角点「白根山」 標高 3192m 緯度 35° 40' 28.4" 経度 138° 14' 20.0" 北岳山頂の三等三角点「白根山」は、明治37年(1904年)7月に設置されましたが、百余年の風雪による浸食作用により、柱石が露出、転倒したため、南アルプス市とNPO法人芦安ファンクラブの協力を得て、柱石及び盤石を交換するとともに低下改埋を行いました。北岳山頂に百余年間置かれていた旧柱石及び盤石は、南アルプス芦安山岳館に保管されています 平成18年(2006年)7月 国土交通省国土地理院』

Posted by: fenrir : September 11, 2009 08:19 AM

ubx2rinexのソースをダウンロード・コンパイルし、使用してみました。
コンパイル環境は、Visual C++ 2010 Express, Windows Vista Professoinal 32bitです。

いくつかのubxからrinexを生成してみましたが、どうやらRINEX.hにちょっとしたミスがあるようです。
具体的には、ubx2rinexが生成するRINEXファイルのヘッダ部に間違いがあります。

記事のリンクからたどれるRINEX ver2の説明には、RINEXファイルのヘッダ部1行目のラベルに
RINEX VERSION/TYPE
と記述するように書いてありますが、記述例にはスペースが入った
RINEX VERSION / TYPE
とあります。
両者の間に矛盾がありますが、記述例のほうが正しいようです。
ver2.1以降の仕様書では、説明のところ・記述例ともにスペースありの
RINEX VERSION / TYPE
となっているので、ver2の仕様書のtypo?でしょうか。
それにともなって、公開されているobs・navファイルはこの部分を修正しないと(少なくともRTKLIBでは)読めないようです。

また、北岳のubxファイルからはヘッダのみでデータが無いnavファイルが生成されてしまい、うまく読めませんでした。
原因はよくわからないのですが、一応レポートしておきます。

Posted by: htoida : October 11, 2011 10:15 PM

>htoidaさん
レポートありがとうございます。時間がとれたときに見てみます。

Posted by: fenrir : October 12, 2011 09:32 PM

fenrirです。
指摘事項その1の、スペースが入っていない問題、修正しました。最新のRINEX.hをお使いください。

Posted by: fenrir : January 19, 2012 12:36 PM
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