February 03, 2012

モデルロケット用モジュール (通称:いなさまボード)

UAV用オートパイロットといった怪しげな電子工作をやっていると、色々お引き合いがあるもので、物体計測をしたいという話が結構舞い込んできます。その中でも@ina111こと、通称"いなさま"とは、最近モデルロケット用の計測システムでお付き合いさせていただいています。Rev.A, Rev.B ときて、とうとうRev.Cで意図した動作をしそうになってきましたので、基板のレイアウトをはっつけておこうと思います。

Rocket_module_RevC_brd.png
表と裏。大きさ 2 x 1.4 inch。

いなさまボードのスペックは、いなさまが書かれた記事にありますので、ここでは技術的な補足をしておこうと思います。

  • このモジュール単体で動作するわけではなく、外部にマイコン等が必要
  • 外部とのI/FはSPI
  • モジュール内部には3つのSPIデバイス、AD7689(16bit ADC, 8ch 250KSPS) 2個とmicroSDがある
  • SPIはSCK, MOSI, MISOが共通で、各デバイスは-CSで選択できるようになっている
  • それぞれ-CSに連動するアクセスランプがついている

マイコンがないと動かないというのが不便に思われるかもしれませんが、もともとArduinoのシールド的なものとして企画されたこともあり、それは仕様になっています。実際、いなさま自身は、このモジュールの動作確認をArduinoでしています。将来的には外部にロガーをつける計画だそうです。僕のほうではTinyFeatherと繋がるよう改修をしていますが、それはまた今度の話ということで。

なお上記の内容、なぜいなさまではなく僕が書いているかというと、いなさまの仕事をぶんどった(笑)ためです。Rev.A, Rev.Bとアドバイス、もとい、お邪魔虫的なことをしていたのでずか、いつのまにか楽しくなってしまい、Rev.Cでは調子にのってmicroSDを足すなどの改修を僕がしてしまいました(笑)。

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February 11, 2012

FT232RL と PL2303HX

USBシリアル変換チップとして名高いFTDIのFT232RLという半導体がありますが、それに似た半導体を発見しました。PL2303HXという半導体です。前者は秋月電子などで、後者はaitendo(リンクはRev.C、Rev.Aもあります)などで取り扱いがあります。現時点のお値段で前者350円、後者250円です。

FT232RL_PL2303HX.gif
両者のピン配置

そっくりなピン配置です。もしや同じ基板でも動くのではと思い、余っていたFT232RL用の基板にPL2303HX(Rev.C)を載せて、動作検証してみました。結果からいいますと、かなりがんばらないとFT232RL用の基板でPL2303HXを動かすことは難しいです。なぜならFT232RLの方が高機能であるがゆえで、以下にその詳細を書きます。

  • FT232RLにはUSBのデータラインに必要な抵抗が内蔵されている、一方PL2303HXにはプルアップ1.5KΩ、ダンピング22Ω 2個の計3個の抵抗が必要。抵抗の配置は参考回路図をどうぞ。
  • FT232RLにはオシレータが内蔵されているが、PL2303HX(Rev.A)にはない。Rev.Cではつきましたが、aitendoでは50円の差です。リビジョン間比較表を参考にしてください。

基板的には上記の差を考慮して、ようやくFT232RL用基板でPL2303HXが動くようになりました。両者の150円の差がジャンパを飛ばすなどの手間賃ともいえるでしょう。逆にPL2303HXを前提とした基板に、FT232RLを載せることは容易いように思えます。aitendoにて90円でPL2303HX用基板がありますので、次はこれにFT232RLを載せることに挑戦してみたいと思います。

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February 18, 2012

XAircraft X650

AR.Droneではやりたいことに対してちょっと力不足なため、より強力なXAircraft X650というクワッドロータを購入しました。

X650_open.jpg

折りたためるのがなかなか良い感じです。

X650_close.jpg

当分はオートパイロットシステム TinyFeatherのデモンストレータとして使用していく予定です。フライトコントローラは自作となるので、フレーム、スピコン、モータのキットを購入しました。同系統のシリーズでフライトコントローラ付フルキット8発機もあります。

goodluckbuyというサイトから購入をしたのですが、購入後1週間、何の音沙汰もないためかなり焦りました。しかもその後、サイトに案内のあるメールアドレスやチャットから問い合わせても一向に返事がありません。そこでPaypalの支払いメールアドレスに、『このまましばらくレスポンスがないと、Paypalに返金要請をするよ』とメールを送ったところ、なんとか返事がもらえ商品の状況を知ることができました。購入後すぐに発送されない商品もあるようです。『そういう場合は先に連絡したほうがいいよ』とフィードバックを送ってみましたが果たして改善されるかどうか。

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February 25, 2012

クワッドロータの電源回路

先日、クワッドロータ XAircraft X650 をお披露目しましたが、そのフライトコントローラをぼちぼち作っています。その過程で、電源回路にちょっと気になることがあったので、記事を書きたいと思います。

X650をはじめ多くクワッドロータの電源回路は、おおむね以下のようになっています。

qtw_power.png
電源概略図。

メインバッテリから4つのESC(スピコン)に分岐し、それぞれのESCがそれぞれのモータを回すことになります。一方、ESCはメインバッテリよりも低い電圧の電源を新たに生成し、フライトコントローラや受信機用を駆動しています。いわゆるBEC(Battery Eliminator Circuit)電源と呼ばれるものです。BEC電源はESCの数だけ、すなわち4つ生成されることになります。

ここで問題となるのが、その4つのBEC電源を並列接続してしまう可能性があることです。BEC電源は多くの場合、リニアレギュレータで生成されているのですが、リニアレギュレータを並列接続して使うことは推奨されていません。リニアレギュレータは個体差があり、生成される電圧が細かい部分で異なります。並列に接続すると電圧の高い側から異常に電流が供給されることになるためです。

一般的なラジコン飛行機やヘリは、ESCが1つしかなくBEC電源は1つ、あるいは複数のESCを使う場合は受信機用の電源を別途用意することが多く、BEC電源を並列にしてしまう可能性は低いようです。クワッドロータならではの問題点というこだと思います。

僕が計画中のフライトコントローラは、ESCから供給される4つのBEC電源のうちの1つでも十分電力に余裕がある予定です。並列接続しないように気をつけたいと思います。

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