November 27, 2010Super Sylphide 進捗状況(37) -- AH6100-LR 較正作業オートパイロットシステム Super Sylphideですが、最近はもっぱら委託生産品、および小型化版 Tiny Featherで新規採用した6DOF慣性センサ エプソントヨコム AF6100-LRの較正作業を行っています。ここでいう較正作業とは、温度変化や回転を与えることによってセンサの出力変化を観測し、本来得られるべき正しい値に出力を補正する情報を抽出する作業のことです。せっかくなので結果の一部を記事にすることにしました。なおここで得られた情報はセンサのみではなく、A/D変換器や電源等、他の回路の影響も多分に含まれていますので、センサのカタログスペックとは異なるものであることに留意してくたさい。 まずは、一定温度(20℃)の下、直交する3軸に対して回転を加えたときの角速度3軸の出力変化です。 この結果を処理することで、各軸のスケールファクタ(感度)や検出軸がどの程度傾いているのかを計算することができます。計算した結果X,Y,Z軸の順に、スケールファクタは33288, 33993, 33479でほぼ同じ、検出軸は直交しているそれぞれの基準面に対して178.8度、179.9度、178.9度と、各軸間でほぼ直交していることがわかりました。とてもよい結果です。 そして、無回転の状態で温度変化(-10℃から40℃まで10℃刻み)をしたときの加速度と角速度の出力(ch1-3:加速度、ch4-6:角速度)です。 この結果をみることで、ゼロ点が温度に対してどの程度変動するかを知ることができます。グラフ内には線形近似を行った際の傾きと切片を数値で表してありますが、どれも傾きが非常に小さい値であり、これはとても良い性質を示しています。 他にも温度変化時のスケールファクタや時間経過時のゼロ点変動などを評価してみています。地道な作業ですがセンサの性能を可能な限り発揮させるためにも、この較正作業はかかせません。 ※次の進捗状況記事は、委託生産品用のマニュアル作成についてです。 コメント
地味な作業ですが,いい結果得られているようでいいですね.私たちの研究室ではゼロ点のドリフト測定は苦労しています.恒温槽があるのがうらやましいです.うちでも他の研究室にはあるのですが,利用頻度が少ないようです. >Ya10さん コメントする
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